きっかけ

こんばんは。

 

今日は看護師になったきっかけについて書いていこうと思います。

 

そもそも、看護師ちゃんとなろう!と思ったのは、看護学校へ入って実習が始まってからでした。看護学校へ入学する時点で看護師になろうと決めてくる子が大半の中で、私は大幅にその決意をするタイミングが遅かった。

 

私にきっかけをくれたのは、フィリピン人女性のMさんでした。Mさんは当時30歳、末期の大腸がんでした。片言の日本語を話す彼女と、日本語しか出来ない私の間では、コミュニケーションが成立することも大変でした。

 

Mさんは貧しい村の生まれのようで、病院へ行けば病気は治ると考えていました。そもそも、”ガン”などという病気そのものも知らなかったと思います。カルテに未告知とだけ記載がありました。

実習期間中にMさんは何度も癌の痛みにさらされて、ベッドの上でのた打ち回る日がありました。私はなすすべもなく、ただひたすら彼女のベッドサイドで椅子に座って見守る事しかできませんでした。

 

彼女は何度も「私は死ぬの?教えて」と私に聞きました。

病院のスタッフは何も話してくれないから、私に聞いたのだろうと何となく予測は出来ました。その後彼女は緩和病棟へ移動となり、私もそこで実習が終了になりました。

同室患者のCさんという26歳のこちらも末期の子宮頸がんの方が私に言ってくれました。「1人で痛みに耐えるのは本当に苦痛、彼女の代わりにありがとうって言うね、傍にいてくれてありがとう。」と。その言葉を聞いて、実習中にも関わらず患者さんの前で大泣きした事は今でも忘れません。人の命の前で、自分の無力、ふがいなさを嫌と言うほど実感させられた経験でした。

 

Mさんは自分の病気の事も、自分の余命の事も何も聞かされぬままこの世を去りました。

 

亡くなる数日前に幸運にもMさんに面会する機会があり、Mさんに声をかけた時彼女が私に言った言葉は「I remember you」でした。

 

このMさんをきっかけに、看護師になろうと決めて、途中紆余曲折はあったものの

今も続けています。

 

備忘録開始

看護師になって⒑年を越え始め本当に様々な方の人生を見させてもらいました。

 

新人から救命救急センターICU,HCUへ配属され、本当に過酷な現場も見てきました。

 

生と死、生きる、死ぬ

 

これは私の備忘録です。

 

記憶に残る患者さんとの会話、やり取り、思いをのんびり書いていこうと思います。